2009年10月9日金曜日

ブロークンビーツ。

ブロークンビーツ。ブレイクビートじゃないよ。ブロークンビーツ。

ブロークンビーツ自体が産まれたのは1990年代半ばと言われています。産まれた場所は、ロンドン西部。その為、ウェスト・ロンドン・サウンドとか、西ロンドンサウンド、ウエスト・ロンドン系なんて呼ばれ方もします。

ブロークンビーツという名前の命名は日本のメディアだっていう説もありますが、
海外でも、既に浸透している名前で、真相は不明。

ブロークンビーツというと、現在となってはジャンルの名前のように取り扱われていますが、テクノやハウス、ドラムンベースみたいに明確な音の特徴やパターンがある訳ではないんです。またビートも、四つ打ちでもなく、構造がこうだから、ブロークンビーツだ。と言う訳ではないんです。敢えて無理矢理分類するとしたら、フューチャー・ジャズ系ですか。

じゃぁ一体何がブロークンビーツなのか?
というと、西ロンドンで生まれた音楽に対する探究心。と言いますか。
音楽に対する姿勢と言いますか。
ジャンルを超えたもっと大きなカテゴリーだと思って頂きたい。

ジャズ、ファンク、ソウル、ヒップホップなどのブラックミュージックと、
ハウス、テクノ、ジャングル、ドラムンベースといったエレクトロニックサウンドを、
フュージョン(融合)させて、出来上がった新しい動きの事。

ブロークンビーツを語る上で外せないのは、I.G Cultureという人物。
この西ロンドン系(ブロークンビーツ)が産まれる前から、
西ロンドンでブランニュー・ヘビィズ、ジャミロクワイ、ヤングディサイプルズらと、同じクラブに通って、
音楽シーンを引っ張って来た人物です。

彼はレゲエに多大な影響を受け、その後もソウル、エレクトロ、ヒップホップ、
更にはアフロビート、フュージョン、ジャズなど、様々な音楽の影響を受けて吸収消化。
ジャンルレスな楽曲をプロデュースするアーティストなんですが、

最初は1990年にDodge City Productionsと言うヒップホップデュオのメンバーとして名前が知られる様になりました。
そして1992年にメジャーレーベルであるアイランドレコードのサブレーベル Fourth and Broadway Recordsからリリース。
その後、メンバーとは別々の道を歩むことになり、デュオは解散。お互い独立してソロ活動を始めます。

その当時メジャーレーベルと仕事をしたくないと感じた彼は、自身のレーベルをスタートさせリリースを続けます。
そしてレーベルを運営する中で、マイク・スローカムという人物と出会います。
I.G Cultureの楽曲をリリースしたいと言うマイクと2人で協力し、音楽制作、リリースに力を入れはじめます。

I.G Culture自身で1998年にメインスクイーズレコードを立ち上げ、
このレーベルはウエスト・ロンドン・シーンを盛り上げる起爆剤となります。
また、レーベル"ピープル"にも参加、この2大レーベルから、
彼独特のジャンルレスで、様々なジャンルの音楽が融合された多くのリリースを果たします。

また、ロンドンでとても音が良いと言われているアットホームなクラブPlastic Peopleにて
ロンドンで最高にコアなパーティとして知られる"CO-OP" のレジデンツとしても活動します。

そして一方マイクは西ロンドンにオフィスを構えるディストリビューターGoya Musicの創立者。
このGoya Musicは後にブロークンビーツの代表レーベルと呼べる
2000BLACK、MAIN SQUEEZE、ARCHIVE、PEOPLE、BITA SWEET、VISIONなどを、
世界に向けて発信、プロモーションや、ディストリビューションを担います。

ここまでで、I.G Cultureと、マイク・スローカム(Goya Music)がブロークンビーツに大きな
影響を与えている事が分かりますね。

そして4Heroの存在も大きかったと言えます。
89年に設立された、4Hero主宰のレーベル「Reinforced Records」からのリリースしたアーティストが、
ブロークンビーツのパイオニアだ!なんて呼ばれたりしています。

また90年代後半に、『 2000Black 』と言うレーベルを4HeroのDEGOが設立します。
『 2000Black 』からは実験的な楽曲が多くリリースされ、
「Reinforced Records」でデビューした、DOMUもリリースするなど、
ドラムンベースシーンをバックグラウンドに持つアーティストも、
ブロークンビーツのムーブメントを加速させます。

また2000年初期、Bugz in the atticという総勢8名のユニットが結成されます。
現在もブロークンビーツのシーンを引率する集団。
オリン“アフロノート”ウオルタースの呼びかけで結成されました。西ロンドン在住で、
ハウス、ドラムンベースなどもプロデュースしてきたアーティストです。
メンバーの中には、ドラムンベースプロデューサーでありチェロ弾き、
キーボーディスト兼プロデューサーなど多彩な人物が揃っています。

彼らが過去にLoudの取材で答えていたのが、ハウスやドラムンベースに飽きてしまって、
何か新しい事をやろうと思ってこのユニットを結成したんだとか。

アンダーグラウンドなシーンで活動を続けて来たこのユニットですが、
2004年にはイギリス国営放送'BBC Radio1' の人気プログラム「Gilles Peterson World Wide」の中の
'World Wide 2004 Music Award'にて、世界中24000人からの投票で'Track Of The Year 2004'部門で堂々の1位を獲得
するなど、世界中の人気を集めています。

ここまでを通してみて見ると、
ブロークンビーツと言うのは、様々な音楽をバックグラウンドに持つ
西ロンドンのアーティスト達が、彼らのバックグラウンドにあるジャンル、音楽を
融合させて、新しい音楽を作り出そうとして産まれたと言えます。

そして、西ロンドンと言う特定の地域でこのようなムーブメントが生まれたのは、
I.G Cultureと、マイク・スローカム(Goya Music)、4Heroのメンバーや、
Bugz in the atticのメンバーの関係が深く関わっています。
と言うのは、彼らは仲間意識を大切にし、ご近所さんとして、お互いを支え合う意識を持っているからなんです。

例えばI.G Cultureが来日したときに、Bugz in the atticのT-shirtsを着ていたり、
スタジオが近所だからよく行き来している、とか。
この堅い絆が、世界中に広まったんでしょうね!

そして、その影響からか、ヨーロッパではジャザノヴァや、アレックス・アティアス、アメリカでは、DJスピナ、アイロ、ティトントン、日本では、KYOTO JAZZ MASSIVEやJAZZTRONIKなどのアーティスト。
またデトロイトテクノシーンの重要人物、カールクレイグも、テクノとジャズをフュージョンさせる等、
新しい試みを持って活動しているアーティストは世界中に広まっています。

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